耳鼻のど専門 (ゆい)鍼灸院

〒564-0041 大阪府吹田市泉町2-47-27-102 スーパーライフ前
阪急吹田駅 徒歩5分

診療時間
午前9:00~12:00/午後2:30~5:30
定休日
日曜・水曜・祝日・土曜の午後・月の最終木曜

電話予約8:30~19:00(定休日も受付中)

06-6380-2236

耳管開放症

耳管開放症とは

 

耳管開放症とは、正常では普段閉じている耳管の内側部分が、周囲組織からの圧迫が弱いために開いてしまい、耳と鼻の間で空気が筒抜けになる状態です。

耳管が開いたままの状態になり、耳閉感や自声強聴、自分の声が大きく聞こえるなどの症状が出ます。
自分の声が大きく聞こえるのは苦痛ですから、小声になる方が多いようです。
また横になったり頭を前に傾けると 圧迫が強くなるので、耳管が閉じて一時的に楽になります。
聴力は軽く低下することもありますが、多くの場合 正常です。
女性では30~40代に多いといわれていますが、高齢の方にもよく見られます。
男性では20~30代と高齢者に多いといわれています。

体重の減少が引き金になるといわれていますが、ストレスが関係している患者さんも多いようです。漢方薬では加味帰脾湯がよく使われていますが、万能ではありません。耳鼻科での治療は体重の保持、水分補給などの生活指導をするといわれています。耳管鼓膜チューブというやり方もあります。

体重減少は中医学的には気虚、脾気虚など身体が弱ったときにおこる現象です。鍼灸は身体全体を治すのが得意です。いっしょに耳管の機能を回復させていきます。

結(ゆい)には加味帰脾湯が効かなかった患者さんがよく来院されています。じつは守田耳鼻咽喉科 大阪駅前耳管クリニックに通いながら、当院にも通院される患者さんは結構いらっしゃいます。お互いの最寄り駅の間は電車で15分です。

一時 体重減少があったものの回復し、耳の症状だけ残っているという患者さんがいらっしゃいます。こういう方は、私の経験からいうと 治りやすい。10年くらいたっていても治っています。30代までなら特に治りやすいようです。 

ひどい肩こりや首のこり、めまいや疲れやすさなどがある患者さんは諸症状を治しながら、耳も治していきます。

九州にいらっしゃる患者さんには 熊本市の小雀斎漢方針灸治療院の渡邉 大祐先生を紹介します。耳管開放症をきちんと治す先生です。

https://kosuzumesai.com/

 

 

◆うつ病パニック障害、双極性障害の合併も疑う

自声強調は 耳管開放からきているだけではないかもしれません。耳の閉塞感から 自分の声が大きく感じられて「自声強聴」と表現する患者さんもいるでしょう。

耳管開放症、狭窄症は検査する方法もありますが、検査上 異常ありとされても何の自覚症状もない患者さんもいらっしゃいます。

右耳の異常を訴えて来院された患者さんが「左耳も検査では耳管開放があるといわれているが何の自覚症状もない」とおっしゃる場合はよくあります。

腰椎椎間板ヘルニアの検査で、レントゲンやMRIの画像所見と患者さんの自覚症状が合致しない、画像所見が一見ひどくても症状とは関係がないということがあきらかになっています。耳管開放症、狭窄症でも将来 検査所見の解釈が変更される可能性があります。

耳のつまり感はうつ病やパニック障害 双極性障害の気分の落ち込み、うつ状態で出ることもあります。

耳の周囲の経絡不通、気の流れが滞れば うつ病やパニック障害、双極性障害の気分の落ち込み、うつ状態にも関係します。耳周囲の気の流れの滞りから 耳管開放症、狭窄症も出現します。

例えば耳のつまり感が少しだけでも 不安感から症状を耐え難いものと受け取ることもあります。

うつ病やパニック障害 双極性障害についても豊富な臨床経験があります。学会発表や論文も多数あります。

うつ病やパニック障害 双極性障害に関連しては 日本大学の酒谷 薫教授とストレス脳の共同研究をしていましたが、2014年7月にロンドンの国際学会(ISOTT2014)で「不安レベルへの鍼の効果と前頭前野皮質のNIRS活動計測」として発表されました。日本では私が2014年9月13日日本中医学会第4回学術総会で発表しました。「パブメド(Pubmed)」に2016年に収録されています。パブメド(Pubmed)とは米国立医学図書館が提供する世界最大級の医学・生物文献データベースで論文が信頼できるものであることを示しています。

2018年2月改訂

◆もっと専門的に知りたい方は以下をお読み下さい。

 

◆耳管とは

耳から鼓膜までを「外耳」(がいじ)。

鼓膜から内部を「中耳」(ちゅうじ)。

三半規管やカタツムリのような部分が「内耳」(ないじ)。

その中で、耳管は分類的には中耳に入ります
普通の耳管は、ほどよく柔らかく閉じており、開閉の機能があるのが望ましいと言えます。耳管の長さは大人の標準で約3.5cmです。(耳管鼓室口から耳管咽頭口まで)

 

◆耳管の構造

耳管腔内の下部ほどに多くの線毛細胞が存在し、上部ほどに線毛細胞は少なくなります。
線毛細胞の少ない耳管上部は換気を行い、中耳内と外界との圧の調整に深くかかわっています。
線毛細胞の多い耳管下部は中耳側から流れてくる分泌物を排泄する役目を担います。
耳管の中は粘膜で覆われいます。中耳(耳管含む)の異物を外に出すためです。
耳管咽頭口(じかんいんとうこう)で鼻や喉に繋がっています。

◆専門家の皆様へ

耳管開放症、狭窄症の患者さんをたくさん治療してきましたが、このたびその治療経験から「標準治療」をまとめ専門誌で発表しました。医療関係者、鍼灸師の方々は是非 書店でお買い求め下さい。

『中医臨床』2017年12月号(通巻151号)に「耳管開放症と耳管狭窄症の鍼灸治療」として掲載されています。

2018年1月

2020年 鍼灸osaka136号「耳鼻咽喉科疾患を治療する」特集。「耳管開放症と耳管狭窄症の鍼灸治療、少陽経の気滞と変調が影響する」が掲載されています。

耳管機能不全という状態、耳管開放症と狭窄症

◆耳管開放症
耳管が開いたままの状態になり、耳閉感や自声強聴、自分の声が大きく聞こえるなどの症状が出ます。 

◆耳管狭窄症
耳管がふさがったり、狭くなると、耳閉感や自声強聴や耳の聞こえが悪い、痛みといった症状が出ます。 

つまり耳管開放症と狭窄症の症状はそっくりです。

自治医科大学 小児耳鼻咽喉科 伊藤真人教授は耳管開放症と狭窄症について
この一見異なる病態がときに混在している場合もあり両者を合わせて耳管機能不全として取り扱うのが適当である(よくわかる病態生理14耳鼻咽喉疾患より)
と書かれていますが、私の臨床的実感とも一致しています。
患者さんの中には、ある耳鼻科では耳管開放症といわれ別の先生にかかったら耳管狭窄症といわれ「いったいどっちなんだ」と混乱されている方もいらっしゃいます。

結の鍼灸治療は耳管開放症と狭窄症、つまりは耳管機能不全を治していきます。どちらも治すし軽くなりますから心配いりません。
耳管機能不全はじつは耳の症状だけでない患者さんが、たくさんいらっしゃいます。
肩こり首こりのひどい方、耳鳴りがして不眠の方、身体がだるくて仕方のない方、めまいの方(ぐるぐる回る方は少ないのですが)不安感の強い方などなど。鍼灸はこれらの症状をまとめて治していきます。
2016年9月

耳管開放症でも鼻炎になれば耳管狭窄症になる場合も

 

患者さんの中には、ある耳鼻科では耳管開放症といわれ別の先生にかかったら耳管狭窄症といわれ「いったいどっちなんだ」と混乱されている方もいらっしゃいます。耳管機能不全という説明をしましたが、じつは時期によって違うこともあります。

風邪をひいて、鼻炎がひどくなれば耳管ははれて狭窄します。耳管開放症の患者さんでも鼻炎から耳管がはれて狭窄すれば、鼻炎が治り耳管のはれがひくまでは耳管狭窄症です。2018年5月

子育て真っ只中の30代女性の耳管開放症の治り方 

患者さんのアンケート

30代前半の女性が 来院されました。6年ほど前から自分の声が時々 響くようになっていたが近頃は毎日のように耳が開き、左耳が響くようになったとのことです。目も回ります。

耳鼻科に行かず、直接 結(ゆい)に来院されました。夏の終わりのまだまだ暑いころでした。

※耳鼻科に行かないことを当院は推奨していません。あくまで患者さんの選択です。

二人のお子さんがいらっしゃいます。最初の妊娠 出産、子育てでお疲れになり耳が時々開くようになりました。2人目の出産が4年前で、さらにお疲れになったようです。下の子供さんも4歳になり、多忙ながらも「非常時」から「平時」になっている時期でした。「赤ちゃんは親がしっかり見てないと死ぬかもしれないから気が抜けないよね」と私はよく言います。まさに「非常時」です。

ほっと一息つける時期に不調になるのはよくあることです。酷暑とコロナ禍のストレスも影響しています。

乗り物酔いもひどく、PMS(月経前症候群)もひどいと自分で言われていましたが、私からみるとほぼ健康といえる範疇です。首肩がこるのも当たり前、これぐらいなら十分「こりにくい身体」にできると考えました。

 一度の治療で4日間 耳が開かなくなりました。2度目は7日後に来院されたのですが、残り3日間も午前中だけ耳が開くという状態でした。「午前中だけ耳が開く」または「午後から耳が開く」というのも少しだけ悪い耳管開放症によくみられる症状です。「1日中 開く」よりは軽症です。

約一か月 3回の治療で耳は開かなくなり、響かなくなりました。その後は2週間に1度治療しながら健康な状態を保ちました。症状がなくなったらすぐに治療を終わるというのはお勧めしていません。再発の可能性があるからです。一か月程度は続けた方がいいでしょう。今回はその後 約2カ月4回 治療して卒業されました。コロナワクチン接種後の副反応を治したり、手先がしびれ頭がもわっとするという状態になったのを治したりしているうちに2カ月たちました。

治療後のアンケートでは、「非常によい効果があった。ほとんど完全になおり苦痛がない。」「総合的にいって治療前の苦痛を10とすれば今の苦痛は0である。」という回答と右のコメントをいただきました。2024年4月

耳管開放症が治った40代の女性 
鍼灸は初めてでした

40代の女性が自分の呼吸音が聞こえる、自分の声も大きく聞こえるということで来院されました。耳管開放症です。

両耳とも開くが、右耳の方がひどく夕方になるとひどくなります。みなさん朝より夕方の方が疲れます、疲れてダラッとなると耳が開くのです。ダラッとなると悪くなるので、私は耳管開放症を「耳の胃下垂」と呼んだりします。身体の気が衰えてくるとひどくなるのは胃下垂も眼瞼下垂も顔が下がってくるのもいっしょです。身体を元気にしながら治します。今回の患者さんは冷え症でしたがこれも治していきます。

週に1回の治療で一か月半 7回で左耳が気にならなくなり、治療開始から2カ月 10回の治療で両耳とも治りました。

耳の治療は「初めて鍼灸を受ける」という方がよくいらっしゃいます。今回の女性も初めてでした。アンケートでは「非常によい効果があった。ほとんど完全になおり苦痛がない」という回答をいただき以下のコメントをいただきました。

◆コメント

初めての鍼灸でしたが、呼吸音や自分の声のひびきがほとんどなくなりとてもうれしいです。これほど効果があるとは驚きです。また何かあればお世話になりたいと思います。ありがとうございました。2023年7月掲載

男性 40 耳管開放症が治りました。
うつ病も楽に

手書きのアンケート

7か月前から痩せ始めて耳が開き始めました。3か月前から体調を崩し、うつ病と診断され休職。声がこもり立ちくらみも出るようになりました。当院に来院されたのは職場復帰されてすぐの頃です。抗うつ剤や抗不安剤も飲まれています。耳鼻科と心療内科の両方に通院中です。

一か月半に 10回治療して卒業されました。コメントで「8回目の治療ぐらいからほぼ回復した状態で生活することができました」というのは治療開始から約一か月後です。週2回のペースで8回治療し最後の2回は耳の様子をみるために週1回で治療しました。

仕事の都合で「週1回」が限度といわれる患者さんが多く、「週1回」で治っていく人もいるのですが、週2回の方が確実に治る場合が多いように見受けられます。うつ病の治療も並行して行いました。耳管開放症とうつ病は共通するツボも多くいっしょに治療しやすいのです。 

◆非常によい効果があった。ほとんど完全になおり苦痛がない。総合的にいって治療前の苦痛を10とすれば今の苦痛は【0】である。とアンケートをいただきました。以下はコメントです。

全10回の治療をうけさせていただき、だんだん状態がよくなり、効果が実感でき、8回目の治療ぐらいからほぼ回復した状態で生活することができました。治りにくい病気だと聞いていたのであきらめていた気持ちもありましたが、ここまで回復することができて本当に感謝しております。ありがとうございました。以上コメント 2022年12月掲載

顎関節症 耳管開放症になった20代女性

手書きのコメント

顎関節症 耳管開放症になった20代女性のお話です。鍼灸は初めての方です。結(ゆい)には鍼灸が初めてという患者さんがよく来院されています。

音大声楽科の学生さんです。約1年前から、左耳の耳鳴りが始まりました。一か月後に右の顎が痛み始め、その一か月後に左耳が開き始めました。歌っている最中や緊張すると耳が開きます。問診カードには、耳管開放症 耳鳴り 顎関節症と書かれていました。

首や肩が凝りやすく、食事は量を食べられません。何かあると胃が痛くなります。手足も冷えます。

少し消化器系が弱くて、やや緊張しやすい方です。交感神経優位のタイプです。消化器系の弱い状態を中医学では脾気虚(ひききょ)、緊張しやすく手足が冷え、首や肩が凝りやすい状態を肝欝気滞(かんうつきたい)と呼びます。両者が合わさった状態を、肝脾不和(かんひふわ)と言います。

肝欝気滞(かんうつきたい)は気を巡らせ、脾気虚(ひききょ)は消化器系を元気にして治していきます。耳管開放症 耳鳴り 顎関節症は気虚と気滞、気が滞っている状態の合わさったもので、別の病名ですが、身体の状態=証(しょう)からみると同じものです。

患者さんはいろいろな症状が出てきて、混乱されていますが、中医学からみるとひとつの証(しょう)がいろいろな症状をもたらしているだけでそう難しい病気ではありません。約2カ月8回の治療で治しました。発表会のために新曲に挑戦した時のエピソードは興味深いものでした。最初の1週間は耳が開くことが多かったのですが、次の1週間は全然 耳が開くことはなく肩こりも顎の痛みもなく発表会を迎えられたといいます。新曲に慣れない時は、緊張して気が滞ったのです。習熟して気持ちよく歌えるようになってからは気が巡り諸症状は消えたのです。

◆コメントをいただきました。

耳が開くことがほとんどなくなり より練習に集中できるようになりました。治療を重ねるごとに、少しずつ良くなっていくのを実感することができました。ありがとうございました。2022年7月掲載

 

右耳がこもり疲労困憊の女性

40代の女性が「右耳がこもる」と来院されました。調子が悪くなって4カ月たちます。聴力は低下していません。耳管機能検査でも異常はありませんが、耳管開放症とされアデホスや加味帰脾湯という耳管開放症によく処方される薬も出されています。デパスも出ていました。耳管開放症は横になると症状が消えるのですが、女性の症状に変化はみられませんでした。※耳管機能検査は耳管の狭窄や開放を調べる検査です。

1カ月飲み続けても効果がないので、心療内科を紹介されこちらでも向精神薬を処方されていました。ただ2週間前から 心療内科の向精神薬はやめたそうです。当初からあった不眠が 少し良くなっていましたが、2週間前からまた眠りにくくなっています。

じつは耳のこもりよりも、どうしようもなく疲れるというのが一番 つらい症状でした。2か月間に10回、最初は週2回のペースで治療しました。耳のつまりはほぼ忘れるようになり、疲れなくなったというところで治療を終わりました。アンケートには以下のように書かれていました。

耳管開放症と耳鼻科で診断され 右耳のこもりが薬を飲んでもよくならず ホームページを見てこちらに来さしていただきました。生活のことなども 先生とお話をして 数回 通院して色々な治療をしていただきました。はじめの頃と比べるとずいぶん楽になり 耳のつまりがあるのも忘れるくらいになりました。ありがとうございました。アンケート以上

◆考察

女性は働きすぎでした。フルタイムで働き、6人家族の家事一切をしていました。「うつ病の手前の手前くらいかもしれません」「働きすぎが一番 よくありません」「家事を減らして 子供たちに分担してください」とお願いしました。子供たちは十分 家事を担えるくらい成長しています。弱音を吐くことなく 全部 自分で背負い込む女性でした。

耳の治療と一緒に、脳を活性化する治療、イライラをとってぐっすり眠れる治療をしました。元気になったら たちまち家事負担が戻ってきたそうですが「120%がんばるのではなく、70%ぐらいで休んでください、あなたは疲労を感じるセンサーが鈍いのですから」と助言しています。2021年12月

自筆のアンケート

耳管開放症? 右耳のつまりと不眠症と右ひざの痛みが治った

患者さんは40代の社長さんです。5年前にストレスから体調を崩し不安症と診断されました。お父さんから社長を引き継ぎ、ずいぶんがんばりはったようです。不安症は小康状態となったのですが、右耳のつまりが出始めました。耳管開放症でよくみられる自声強調、自分の呼吸音が聞こえるということはありません。耳鼻科で加味帰脾湯(かみきひとう)を処方されていますが一向に改善しません。

不眠症もあって、とくにここ1年は眠れません。のぼせやすく午前4時には目が覚めてしまいます。ここ2週間くらい右耳のつまりと首の右側面のこりが強くなっています。冬に来院されたのですが、寝汗もけっこうあります。

耳周囲の経絡(けいらく)気の流れがつまる肝欝気滞です。首のこりも不眠もそこからきています。寝汗は気滞からの化熱、熱をもつからです。頭はのぼせますが 足は冷えます。上実下虚(じょうじつかきょ)という状態です。気滞からのお腹のはりもあります。一般にはストレスからのお腹のはり、過敏性腸症候群(IBS)と呼ばれる状態です。

通院に3時間以上かかる遠方のため週1回の治療からはじめました。一度治療すると、足の冷えがとれたので、この方は治る力がしっかりしている方だなと思いました。本人は耳の治療には関係ないと判断され、当初は黙っていらっしゃったのですが、2ヶ月前に右膝の十字靭帯を痛めて以来 ランニングができない状態でした。いつも走っている人が急に走るのをやめると気滞はひどくなります。膝を治して走れるようにすると諸症状はいっそうよくなりました。右耳のつまりも、不眠症も首のこりも お腹のはりもなくなりました。

◆アンケートでは

治療前の苦痛を10とすれば今の苦痛は1である。との回答をいただき、右耳のつまり感はほぼなくなりました。お世話になりました。とのコメントをいただきました。

◆自筆のコメントはこちらから

◆考察

ランニングでも肉体労働でも身体を動かすと、気滞は一定程度 改善します。ただし疲労がひどいと、それはそれで気滞はひどくなるので、スポーツで何でもよくなるという訳にはいきません。その方の状態、按配が大切です。

※治療効果には個人差があります。みなさんが同じように治るわけではありません。
※治療例は個人情報保護の観点から、患者さんの年齢、状況を大勢に影響ない範囲で少し変えている場合があります。ご了承ください。

耳管開放症が5回、半月の鍼灸治療で治った

患者さんは元気な60代の女性で肩こりもありません。ただ耳の調子は少しずつおかしくなっていました。8ヶ月前に胃の具合が悪くなり、耳に違和感が出ました。5ヶ月前に花粉症で鼻炎になった時に、鼻をすするようになり 耳がつまるようになりました。その後 鼻炎はなくなったのですが、耳のつまりは残り、耳鼻科で耳管開放症と診断されました。車に乗ると必ず耳がつまります。車の振動が耳管を開かせてしまうのかもしれません。

首を前に倒すと つまり感はなくなります。耳管開放症ではよくあることです。横になると症状は消えます。

5回の治療で症状は消えました。その後 約1週間後に耳鼻科で検査をして、耳管の動きが正常であることを確認して治療を終わりました。

「非常によい効果があった。ほとんど完全に治り苦痛がない。」「総合的にいって治療前の苦痛を10とすれば今の苦痛は0.1である」というアンケート結果をいただきました。

◆コメント

耳管開放症ということで声がこもるような感じが時々していました。先生に治療していただいたおかげですっかり良くなり耳鼻科の検査でも耳管の開放はすっかりなおっていました。治療自体も気持ちよかったです。本当にありがとうございました。

今の苦痛を0.1にしたのは耳管開放症がまだおこるのというのではなく、おこりそうな気になる時があるからです。それもツバを飲み込めばそんな気もなくなりますが。

2017年7月

※治療効果には個人差があります。みなさんが同じように治るわけではありません。
※治療例は個人情報保護の観点から、患者さんの年齢、状況を大勢に影響ない範囲で少し変えている

場合があります。ご了承ください。

耳管開放症の治り方

☆耳管開放症の治り方

井上(仮名)さんは20代の男性です。転職したのはいいのですが新しい職場に慣れなくて胃がもたれるようになりました。市販の胃薬でごまかしているうちに体重が8キロも減ってしまいました。1ヶ月前からは夕方になると左耳が開放するようになりました。耳鼻科では耳管開放症と診断されています。複数の耳鼻科を試されたようですが、なかなかよくなりません。鍼灸は初めてだけど、なんとか治したいということで来院されました。

もともと慢性鼻炎とアトピー性皮膚炎をお持ちの方で、アトピー性皮膚炎は肘の内側付近にあります。肩もこります。

昨日から風邪をひいたという訴えで、鼻づまりもひどくなっています。

 

☆鼻が治れば耳もよくなる

症状は一見すると大変そうですが、耳が開き始めるのは夕方から、それに体力ももともとはありそうです。胃腸の調子を整えながら、耳と鼻(慢性鼻炎)の治療をしていけば順調に回復していくだろうと考えました。

「鼻がもともと悪いというのは、よかったですね。慢性鼻炎の方が治しやすいからです。鼻が治れば、耳もある程度よくなりますよ」といって治療を開始しました。リップサービスではありません。長い慢性鼻炎でも私は比較的短期間で治しています。そして鼻がよくなれば耳はある程度は勝手によくなるのです。

 

☆胃腸の病との共通点

胃腸の調子がわるくなり、身体能力が低下し耳管をしっかりと閉じる力がなくなってしまったのです。そうはいっても症状が出てくるのは、疲れが出てくる夕方からです。結構 力は残っていると考えました。じつは身体の力が低下した時におこる胃下垂も耳管開放も似たようなものと考えています。耳管開放症というと多用される加味帰脾湯はもともとはある種の胃腸の病に使われる漢方薬です。

10日間に4回治療したところほとんど耳は開かなくなりました。肩こりはなくなり胃のもたれ感も消え鼻炎も治っています。さらに2週間に4回治療したところ肘のアトピー性皮膚炎も消えました。週に一度の治療に切り替え2週間、次に2週間に一度の治療で一ヶ月様子をみて治療を終了しました。アンケートは治療開始から2ヶ月たったところでいただきました。

アンケートでは

◆非常によい効果があった。ほとんど完全に治り苦痛がない。

◆治療前の苦痛を10とすれば今の苦痛は0である。

という回答をいただき以下のようなコメントもいただきました。

 

◆コメント

様々な耳鼻科にて耳管開放症と診断されたものの 治療法がないといわれ途方にくれておりました。

藁にもすがる思いで通院し始めましたが、想像以上に効果があり正直驚いております。

上記症状のみならず、体全体の疲れも少なくなり、大変快適です。
鍼治療は今回が初めてでしたが、今後もしほかの病状に悩まされた時はまた厄介になるかと思います。大変 助かりました。ありがとうございました。

 

◆自筆アンケートは以下から

※治療効果には個人差があります。みなさんが同じように治るわけではありません。
※治療例は個人情報保護の観点から、患者さんの年齢、状況を大勢に影響ない範囲で少し変えている場合があります。ご了承ください。

耳管開放症 夏に悪化するのが治った

20代の男性が○○年7月に来院されました。夏になると耳管が開くのをなんとかしてほしいとの訴えです。両耳の耳管が開き、自分の声が大きく聞こえてしまいます。立ちくらみもよくおこり、鼻炎もあります。

伝統的中医学では気がきちんと頭まで登っていない、清陽(せいよう、清らかな陽気)が頭まで昇っていないために、耳管や鼻がうまく機能しなくなったと考えます。

7年前の夏、ひどい疲労感で耳管も開放するようになり体調不良になりました。調べたところ貧血状態で腎機能も低下していたそうです。それ以来 夏になると調子が悪くなるようになりました。

 

10日間に3回 治療したところ、簡単には耳は開かなくなり、鼻炎もよくなりました。

結局 半月で5回、その後半月に3回 治療したところ、一週間の内 一度も耳が開かなくなり、鼻炎もよくなったので、治療を終了しアンケートをいただきました。

本当はもう少し 夏が終わる9月末までは治療を続けたかったのですが、海外留学のため8月で治療を終わりました。2018年5月

 

 

◆アンケートのコメント

 

夏になると、立っているだけでも耳が開いて辛い状態でしたが、ここでの治療でそのような症状がなくなり日常生活はかなり楽になりました。ありがとうございました。

 

患者さんの手書きのアンケートです。

耳管開放症と肩こりがいっしょに治りました

久保(仮名)さんは20代後半の働く女性です。デスクワークをされています。

2週間前に耳の調子が悪くなりました。右耳に圧迫感が出て、しめつけられる感じが出てきました。ふらふらします。耳鼻科に行ったところ聴力も低下していて耳管開放症と診断されました。以前から肩こりもあります。

一度 治療したところ右耳の圧迫感がなくなり、呼吸音が聞こえなくなりました。半月に3回治療したところで、肩こりを含めたいろんな症状が消えました。それから一ヵ月後に来ていただいた時も、肩こりは出なくなっていました。耳鼻科で聴力検査を受けたところ聴力も回復していました。

治療終了後にアンケートをいただきました。

◆アンケートでは「非常によい効果があった。ほとんど完全になおり苦痛がない。」「治療前の苦痛を10とすれば今の苦痛は【0】である」との評価をいただき以下のコメントをいただきました。

 

◆コメント

耳の方は完全によくなりました。呼吸音が聞こえることもなく、圧迫感もなく聴力検査では両耳でほぼ同じ結果となりました。

肩こりも思い荷物を一日中持って歩いたりしない限り(普段そんなことはめったにしないです)感じなくなりました。ありがとうございました。

 2017年3月

 

◆自筆アンケートは以下から

※治療効果には個人差があります。みなさんが同じように治るわけではありません。

27年間続いた耳管開放症が治った

木下さん(仮名)は50代の女性です。27年前、出産後に体重が落ちて、耳がぼおっとするようになりました。17年前に耳管開放症と診断されましたが「治療法はありません」といわれたとのこと。数年前に加味帰脾湯をしばらく飲みましたが、効果はありませんでした。

右耳のつまる感覚が一番おつらいようで、自分の呼吸音も聞こえます。冬は比較的楽になります。今年の3月からつまり感がひどくなり、あわせてけん怠感も感じるようになりました。

5月に来院されました。当初は週二回治療することが多いのですが、木下さんは少し遠方で本人の希望もあり週一回の治療を開始しました。

3回治療したころ2週間の間に一回 耳がつまった程度という状態になりました。なにより喜ばれたのは、けん怠感がなくなったこと。「空が晴れたような感じがする」とおっしゃっていました。便秘も解消、肩もこりにくくなりました。

中医学からみた木下さんの耳管開放症は身体が弱り、その中でもとくに耳周辺の経絡、気の流れが滞った状態です。身体を元気にする治療をしながら、とくに耳周辺の経絡の気の流れをよくし、機能回復に努めました。

5回 約一か月で治療終了、4回目の時にアンケートに回答していただきました。

◆非常によい効果があった。ほとんど完全に治り苦痛がない。

◆治療前の苦痛を10とすれば今の苦痛は1である。

 

◆コメント
ありがとうございました。27年間辛い思いですごしなかばあきらめていましたがとてもよくなりました。感謝しています。

長い間の耳管開放症でもあきらめることはありません。

 

◆自筆アンケートは以下から

※治療効果には個人差があります。みなさんが同じように治るわけではありません。
※治療例は個人情報保護の観点から、患者さんの年齢、状況を大勢に影響ない範囲で少し変えている場合があります。ご了承ください。

耳管開放症が治り、ついでに顔の赤み、お化粧がすぐ取れてしまう、メイクが浮いてしまうということが治りました

杉山(仮名)さんは40代の女性です。当初は耳管開放症で来院されました。これは一ヶ月ほどで治りました。 1年中、鼻の調子がわるく通年性のアレルギー性鼻炎とも診断されていました。とくにスギやヒノキの花粉の飛ぶ時期はひどい。これも治療して軽くなりました。よく背中がこったり、食べ過ぎるとおなかがはったりするのもなくなりました。  そうこうしているうちに顔の赤みやお化粧がすぐ取れてしまう、メイクが浮いてしまうということが治りました。杉山さんはこれらの症状改善に以下のように回答されています。 

◎非常によい効果があった、ほとんど完全に治り苦痛がない。
◎治療前の苦痛を10とすれば今は1である。 
 

 

◆杉山さんのアンケートの回答

 昨年、耳管開放症で来院し、症状は回復しました。その後年中ある花粉症、冷え症、体調管理のため通院中、当たり前すぎてあきらめきっていたというより、そんなもんだと思っていた顔の赤み、お化粧がすぐ取れてしまう、メイクが浮いてしまうということが徐々に軽減し、今では朝お化粧して、夜まで全く直す必要がなくなりました。ベストな顔でいられるのは自信にもつながるような気がします。またほてりが気にならなくなったとともにお肌のしっとり感もましました。若々しさが戻った気分です。ありがとうございます。これからもよろしくお願い致します。

 回答以上。  

杉山さんの状態は伝統的中医学では上実下虚(じょうじつかきょ)といいます。頭の方で気が滞り、うまく下へ降りてこない状態です。だから顔がほてり足が冷えていたのです。アレルギー性鼻炎を治療する過程で上実下虚を治しました。顔の虚熱(きょねつ)というバランスの乱れからくる熱がとれたために顔の赤みがなくなり、お化粧もとれなくなりました。足の冷えもなくなりました。治療の中で普通にやっていることなのですが、女性にはメイクを直さなくてよくなったと喜ばれています。

花粉症もあった中年男性の耳管開放症の治り方

田口(仮名)さんは40代後半の男性です。

20XX年の12月にいらっしゃいました。経過は以下のようなものでした。 

5月に風邪をひき何回も鼻をかんでいたら、自分の声が響くようになった。耳管開放症に効くといわれている漢方薬、加味帰脾湯(かみきひとう)を半年ほど飲んだが一向に効果がなかった。それどころかおなかの調子が悪くなり、不整脈もでるようになった。加味帰脾湯をやめたらもとにもどった。両耳ともつらい。手足は以前から冷える。最近は咳が出るようになり、のどもいがらっぽくなった。 経過以上 

田口さんは最初の治療で自分の声は響かなくなり、咳もなくなりました。たいていは週2回の治療を一ヶ月ほど続けていただき、治っている身体の状態を維持しながら、症状がぶり返さないようにしながら治していきます。ですが田口さんは症状がでると来院されるという形で来院されました。1~2週間に1度の来院です。結局3ヶ月で6回治療し、当初の症状を10とすると今は1~2というところまで、治りました。3~4月は花粉症がひどいとのことだったので3月に4回治療して治し、アンケートをいただきました。6月に一度再発しましたが、これは1回で治りました。手足も以前ほどは冷えなくなりました。

 

☆アンケート回答 

よい効果があった。少し苦痛はあるがずいぶん楽になった。 総合的にいって治療前の苦痛を10とすれば今の苦痛は2である。 田口さんのコメント 耳管開放症の症状はほとんど消え感謝しております。日常からお腹などをあたためるようにすることでより効果があったようです。

 

自筆のアンケートはこちらから

※加味帰脾湯はすべての耳管開放症に効くわけではありません。あるタイプには効きますが、別のタイプには効かないのです。そこは漢方薬の専門知識が必要ですが、耳鼻科のお医者さまがみんな漢方薬の専門家というわけではありません。漢方薬は正しく使えば副作用はでませんが、合わなければ具合が悪くなることもあります。詳しくは以下をどうぞ。 http://yuisuita.com/text/k-5.shtml

左耳のつまり感が治った、右耳の「ひっぱられるような」感じも

原田(仮名)さんは40代の女性です。数日前から右耳が「ひっぱられるような」感じがしてきたと来院されました。原田さんは右耳をたよりに生活されています。

10数年前から左耳は耳鳴りがひどい状態でほとんど右耳で聞いているとのこと。その左耳は3ヶ月前から耳鳴りに加えつまるようになり、あごもカクカクするようになっています。耳鼻科の治療を受けても治りませんでした。両耳が聞こえなくなったらどうしようという不安にとらわれていらっしゃいました。車の音が妙に大きな音で響くという症状もあります。耳管開放症が疑われる症状です。

3回ほど治療したところ、右耳の「ひっぱられるような」感じはなくなり、左耳のつまり感も消えました。あごのカクカクした感覚もなくなりました。私としては10数年前から続く左耳の耳鳴りももう少し治療してみたかったのですが、遠方ということもあり5回で治療を終わりました。8年前から続いていたという腰痛も治っていました。1ヵ月後のアンケートで左耳のつまり、右耳の「ひっぱられるような」感じも再発していないことを確認しました。

 

※原田さんの自筆のアンケートの写真はこちらからどうぞ 

「1. 非常によい効果があった。ほとんど完全になおり苦痛がない。」を選択され、治療前の苦痛を10とすると今は0と回答されています。

耳管開放症と狭窄(きょうさく)症

耳管開放症と耳管狭窄(きょうさく)症、針灸の治療法にそれほど大きな違いはありません。どちらも経絡、気の流れる道をととのえる中で治っていきます。気の不足も関係しています。耳管開放症はどちらかというと気の不足の要素が多く、耳管狭窄症は気滞、気の流れがうまくいかない要素のことが多いと考えられます。ただ中医学の見方では、患者さん個人のその時の身体の状態の違いのほうが、開放か狭窄かの違いよりも大きいのです。

疲れる。食べられない。耳がつまる。耳管開放症。

40代の男性が耳のつまりを治したいと来院されました。3年前から続いています。両耳がつまるが、難聴はありません。耳鼻科では耳管開放症の可能性ありとのこと。数年前に5キロやせてからは、疲労感が強くなりフルタイムで激務をこなすのが無理になりました。仕事量も減らされています。疲れて声も出しにくい。胃腸の調子も悪く、食べようとしても食べられない状態です。典型的な気虚(ききょ)です。エネルギー不足です。耳も治すのですが、胃腸を治して食べたものがきちんと身体をつくるようにもっていくことが大切とお話しました。

約1ヶ月の間に8回治療して、耳のつまりはなくなりました。なにより喜ばれたのがきちんと食べられるようになって、疲労感を感じなくなったこと。体重も2キロ回復しました。この男性は百会という頭のてっぺんのツボにお灸をすると「お腹に感じる、腹が温かくなる」とたいそうお灸を好まれていました。針灸は耳だけを治すのではありません。身体全体を治していく中で耳も治すのです。

※治療例は個人情報保護の観点から、患者さんの年齢、状況を大勢に影響ない範囲で少し変えている場合があります。ご了承ください。

1回で治った耳管開放症

耳管は鼻の奥と耳をつないでいる管で、ふだんは閉まっています。これがいつも開いた状態になり、戻らなくなるのが耳管開放症です。自分の声がそのまま聞こえたり、呼吸音がはっきり聞こえたりして不快なものです。

20xx年8月初めに治療した谷口さん(仮名)という30代の男性は7月初めから右耳の耳管開放症に苦しむようになりました。当初は1日の半分程度、耳管が開いていたのがだんだんひどくなり、ついに1日中苦しむようになりました。1週間前に耳鼻科で耳管開放症と診断され、漢方薬の治療を開始したのですが、一向によくならないということで結(ゆい)を受診されました。

谷口さんは1回の針灸治療で治りました。治療直後の変化は少なかったのですが、翌日の夕方から耳管が閉まり始め、そのまま治りました。約1ヵ月後に電話で再発していないことを確認しています。

針灸治療の開始が早ければ早いほど、すっきり治るのも早くなります。1回で治るのは稀ですが、1~2ヶ月でよくなる可能性が大きいのです。できるだけ早期に針灸治療を開始してください。

ただ現状では耳管開放症の病名すら知らないという針灸院がほとんどです。ホームページをみた遠方の患者さんから、近くで紹介してくれと要望されることも多いのですが、ほとんど紹介できていない状態です。申し訳ありません。

※治療例は個人情報保護の観点から、患者さんの年齢、状況を大勢に影響ない範囲で少し変えている場合があります。ご了承ください。

耳管開放症を知っていますか

耳鳴り 難聴 立ちくらみ耳のつまり

耳がつまった感じや、自分の声が大きく聞こえる感じがすることはありませんか。たちくらみが多くはありませんか。そんな状態が続いていませんか。ひょっとしたら耳管開放症かもしれません。男性では手足の冷える人が多く、女性では寝つきがよくなかったり、眠りの浅い人が多いといわれています。ダイエットの後になることも多いようです。最近 増えています。

耳管は鼻の奥と耳をつないでいる管で、ふだんは閉まっています。これがいつも開いた状態になるのが耳管開放症。

中医学では大雑把にいえば肝鬱気滞(かんうつきたい)の状態のひとつと考えます。漢方薬の加味帰脾湯(かみきひとう)が耳管開放症には効くので、一部の耳鼻咽喉科で使われています。じつは加味帰脾湯(かみきひとう)は肝鬱気滞(かんうつきたい)のあるタイプを治療する薬です。耳管開放症はストレスで悪化することが多いといいますが、これも肝鬱気滞(かんうつきたい)の特徴です。

耳鼻咽喉科からみると、つまり耳からみると耳管開放症。中医学からみると肝鬱気滞(かんうつきたい)の中のあるタイプで、耳の症状が特徴的なものということになります。

耳管開放症と診断された患者さんを何人か治療しましたが、針灸はよく効きます。肝鬱気滞(かんうつきたい)は別に耳だけに症状があるわけではありません。全身の状態ですから、頭痛や肩こりや不眠がいっしょにくっついてくることが多いのです。こういった症状もきれいにとれます。

針灸は患者さん個人の状態にあわせたオーダーメイドの治療ですから、ツボの使い方は患者さんによって微妙に違うのですが、耳の周囲のツボはたいてい使います。耳鼻咽喉科の石川 滋先生のHPには、ある患者さんからの情報として耳の後ろへのマッサージを2ヶ月続けていたら、耳管開放症がよくなったという話が載っていました。耳管開放症の患者さんは試してみる価値がありそうです。

もちろん針灸を併用した方が、もっと早くきちんと治ります。

次は実際の治療例です。 

このページをつくるにあたっては金沢市立病院耳鼻咽喉科科長 石川 滋先生のHPを参考にさせていただきました。 耳管開放症についてさらに詳しく知りたい方は 上記のHPを訪問してください。

 

耳管開放症、どんなふうに治るの

一例を挙げてみましょう。

20xx年 2月始め 20代の男性が「耳管開放症を治療できないか」ということで来院されました。両方の耳がつまるような感じがして、声がひびく。聞こえづらい。手足が冷えて、肩もこる。月に1~2回は頭痛もする。花粉症もあるということでした。1年くらい耳鼻咽喉科に通っていて、耳管開放症と診断されている。そこで出される漢方薬も飲んでいるが、いまだ治らない。といった状態でした。

5月まで、週に1~2回の針灸治療をして耳管開放症の症状はなくなりました。都合で2週間ほど治療できないときもあったりしながらの治療です。4月でぐっと良くなり、5月で治りました。その後 肩こりや手足の冷えや、風邪などでたまに来院されていました。12月はじめ、過労がたたり、右耳だけ違和感が出ましたが、これは2回ほどの治療で治りました。

治療効果は1~2回で実感できますが、ほぼ症状を意識しない状態まで治っていくには1~3ヶ月はかかると感じています。長年 耳管開放症に苦しんでいる方は多いようですから、針灸治療は早期に治療できる治療法ではないでしょうか(2017年改訂 以前は治るまで3~4ヶ月と書いていましたが、1~3ヶ月と短くしました。残念ながらみなさんが3ヶ月で治るわけではありませんが)

耳管開放症は突発性難聴に比べ、まだまだ知られていない病気です。耳鼻咽喉科でも、別の病気と診断されてしまうこともよくあるようです

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