突然 難聴になった中で、原因不明のものを突発性難聴といいます。
原因不明なのですが、内耳の循環障害が有力と考えられています。循環障害は 血の塊や何かの異物、脂肪や空気等々が血管をつまらせたり、細い血管が破れてしまったりすることでおこります。
また風邪のウイルスが 内耳の炎症をおこす場合も多いといわれています。新型コロナのウイルスが影響することもあると考えています。循環障害にも炎症にも鍼灸は有効です。
耳鼻科の治療は早ければ早いほどよく約30%が完全治癒します。約50%はある程度 治ります。残り約20%は治らないといわれています。
治らなかった約20%の方が結(ゆい)に来院されたり、約50%のある程度治った方が、もっとよくしたいと来院されることもあります。まずは「5回 治療を受けてください」とお願いしています。5回のうちに改善すれば治療を継続しますが、改善がみられなければ治療を中断しています。
早期に鍼灸治療を開始され、治っていく患者さんもたくさんいらっしゃいます。
入院してステロイド点滴をされた場合は退院直後から鍼灸治療を開始します。通院でステロイド点滴をされている場合は、耳鼻科と並行して鍼灸治療を行っています。
◆聴力は聴力検査の結果がすべてではありません
難聴の治療をしていると、患者さんから「聴力検査の結果に変化はないけれど聞きやすくなった」と言われることが時々あります。聴力検査の結果もよくなり、聞きやすくなったという患者さんの方が多いのですが、「検査結果は同じだけれど聞きやすくなった」という患者さんもいるのです。
音は空気の振動が耳の中の蝸牛というところで電気信号に変わり、聴神経を通じて脳に運ばれます。ただそれで言葉が理解できるわけではありません。日常の「聞く」は言葉を理解して初めて「聞く」となります。大脳皮質の様々な場所にある言語野(げんごや)が働いて「聞く」となります。聴覚野(ちょうかくや)だけでなく言語野も大切です。
◆いっしょに脳を活性化しています
私は中医学の伝統的なやり方で治療していますが、そのツボの使い方はうつ病等の治療と共通するものがあります。言語野を刺激しているのだと考えています。患者さんには「耳の機能回復といっしょに脳を活性化しています」とお伝えしています。聴力は正常だけど、聞きにくい、APD(聴覚情報処理障害)という病気もあります。
朝に突然 左耳が聞こえなくなりました。すぐに耳鼻科に行ってステロイド点滴を1週間、それでも聴力が回復しないので、今度は耳にステロイドの注射をしました。ステロイド鼓室内注入療法です。それでも回復しないので結(ゆい)に来院されました。聴力低下と耳鳴りがあります。
1週間に3回 鍼灸治療しました。4回目に「聞こえてきている気がする」と言われ、治療中にスヤスヤと眠り始めました。じつは自律神経の乱れもあり もともと不眠がありました。ステロイドはよく効く薬で、肩こりも改善しますが、患者さんによっては不眠をひどくすることがあります。「ステロイドはカラ元気を出す薬です」と私は説明しています。
約一か月 8回の治療で聴力はほぼ回復しましたが、耳鳴りと耳のつまり感が残ったために治療を続けました。全体で約二カ月 14回の治療で耳鳴りが気にならなくなり、つまり感もなくなり卒業していただきました。2024年7月掲載
二か月半前にコロナにかかり、やっと治ったかなと思ったら、突発性難聴になってしまいました。
コロナにかかってから咳が一か月以上続き、悪寒 下痢 頭痛に苦しみました。二か月後に突然 左耳が聞こえなくなり突発性難聴と診断されました。ステロイド点滴を1週間したところ聴力は70~80デシベルから40~50デシベルまで回復したのですが耳鳴りがあり高い音は響き音が割れます。テレビの音も大きいと苦痛なので字幕で見ているそうです。職場は歯科医さんなので、独特の機械音が苦痛です。耳栓をして勤務されています。
4回ほど治療すると、聴力は25デシベルまで回復しました。音が割れたり、聞こえが悪いのもなくなりました。テレビも音を出して見れるようになりました。ただ職場の機械音が苦痛というのは続きます。
約一か月 8回 治療すると職場の機械音も大丈夫になり、雨の日に調子が悪くなるのもなくなり、卒業していただきました。
◆コメント
非常によい効果があった。ほとんど完全に治り苦痛がない。
総合的にいって治療前の苦痛を10とすれば今の苦痛は0である。
3割しか完治しないといわれる突発性難聴になり、病院でのステロイド点滴治療で聴力は上がったが耳鳴りや音割れはあまり改善されず日常生活の音さえも苦痛でつらい毎日でしたが、こちらに通いだしてから徐々に音割れが改善され 好きな音楽やテレビが楽しめるようになりました。
歯医者に勤務していたため 独特の機械音が頭に響いて頭痛がしていたが耳栓なしでも働けるようになりました。
今では完治が難しいと言われる程 重症だったのにほとんど元通りになりとても嬉しいです。仕事のグチもたくさん聞いていただきスッキリしました。本当に感謝しています。ありがとうございました。また何かあればよろしくお願い致します。2022年7月掲載
40代の女性が突発性難聴の治療で来院されました。半月前に耳鳴りがしはじめ、左耳が聞こえにくくなりました。聴力が55デシベルまで低下していました。20デシベル以下なら正常、30デシベル程度までなら日常生活に支障はありませんが55デシベルは難聴です。耳がつまり、ひどい肩こりもあります。
突発性難聴は普通なら耳鼻科でステロイドを点滴したり飲んだりするのですが女性は断りました。授乳中だったからです。少量のステロイドは授乳中でも問題ないといわれていますが、女性には抵抗があったようです。
10日間に4回治療すると症状はきれいになくなり、聴力は25デシベルまで回復しました。
以下のコメントをいただきました。
◆コメント
非常によい効果があった。ほとんど完全になおり苦痛がない。
総合的にいって治療前の苦痛を10とすれば今の苦痛は【 1 】である。
初めての鍼灸だったので最初は少し怖い気持ちもありましたが、思いきって受けに来てみてよかったです。ありがとうございました。聴力が戻っていてとても嬉しいです。2022年7月掲載
50代の女性が左耳の突発性難聴で発症から約40日たって来院されました。発症してすぐにステロイドの点滴治療もしたのですがよくなりません。聴力が低下し、耳がつまり音もひびきます。首や肩もよくこります。一か月に8回 治療したところ耳のつまり感やひびき、肩や首のこりがなくなりました。結(ゆい)に来られてから約二か月後 発症から約三か月後に耳鼻科で検査して聴力の回復を確認しました。
アンケートでは「非常によい効果があった。ほとんど完全に治り苦痛がない」という回答をいただきました。
コメントは以下。
突発性難聴と診断され病院での治療であまり症状が改善されなかったので、インターネットで結鍼灸院を見つけて通院させていただきました。左耳のつまりがつらかったのですが数回の治療でつまりが改善しはじめ、ふらつきも軽減しました。先月二カ月ぶりに病院で聴力検査を受けたところ聴力が回復していました。こちらに通い始めた頃は気持ちも沈みがちでなぜこんな辛い症状が続くんだろうと思っていましたが、院長先生の「悪い部分ばかりに目を向けるのではなく良くなっている部分に目を向けてくださいね」という言葉にはっとさせられました。
そこから気分もすっきりしだしたように思います。ありがとうございました。左耳の症状はよくなりましたが体を整えるのにしばらく通院してみたいと思います。
コメント以上 2021年4月
50代の女性がコロナの濃厚接触者になりました。検査したところコロナ陽性が判明しました。発熱はなかったのですが、検査の3日前、腰とふくらはぎが半日だけ痛みました。
検査の3日後から味覚障害と嗅覚障害がでてきました。3週間後に左耳がおかしくなり、耳鼻科で突発性難聴と診断されました。結(ゆい)には約7週間後に来院されました。
音が2重に聞こえるのがつらいという訴えでした。味覚障害は残り「うまみ」がわかりません。匂いも健康な時を10とすれば2程度でした。
3回 治療したところ とうふの味がわかるようになりました。嗅覚も改善しました。自宅の独特の匂いがわかるようになりました。音が2重に聞こえるのもなくなりました。途中で音が再度 2重に聞こえることもあったのですが、すぐによくなり、結局 一か月に7回治療し、音もはっきり鮮明に聞こえるようになり治療を終わりました。
治療後のアンケートでは
「非常に良い効果があった、ほとんど完全に治り苦痛がない」を選択いただきました。治療前の苦痛を10とすれば今の苦痛は0であるとされました。
◆コメント
鍼灸は初めてだったので、当初は不安でしたが予想以上に早く効果が出たことをうれしく感じています。また調子が悪くなった時はお世話になりたいと思います。2022年7月掲載
40代の女性が耳の不調を訴えて来院されました。耳鼻科では左耳の突発性難聴との診断。2週間前に左耳がぼわんとした感じがしたので、耳鼻科に行ったら聴力も低下していました。右耳にも違和感を感じます。
一度 治療すると、左耳のぼわんとした感じも右耳の違和感もなくなりました。1回目の治療の後 咽頭炎になったというので今度はそちらの治療。耳の異常とのどの異常を訴える方はよくいらっしゃいます。
半月に3回の治療の後、耳鼻科で聴力の回復も確認しました。その後も肩こりや耳の症状の再発を治療して約1か月。いろいろ落ち着いたところでアンケートをいただきました。
◆患者さんのコメント
患者さんからは「非常によい効果があった。ほとんど完全になおり苦痛がない。」総合的にいって治療前の苦痛を10とすれば今の苦痛は0であるというアンケート回答と以下のコメントをいただきました。
突発性難聴と診断を受け、耳鼻科通院と並行してこちらでの治療をお願い致しました。疲れや体調の耳の症状としてあらわれることが多かった為 耳の症状や聴力低下がもとに戻るかどうか不安に思っておりましたが、1カ月程度でほぼ症状は治まり聴力ももとに戻るところまで回復いたしました。とてもありがたく思っております。また身体が冷えやすい体質ですが、針治療を受けると身体があたたまり、体調を大きくくずすことがなく、私には効果のある治療であったと思っております。ありがとうございました。
◆考察
じつは突発性難聴という耳鼻科の診断には 疑問を持っています。この患者さんは30代の時にも左耳の不調を訴えて来院されたことがあるからです。この時は左耳の閉そく感や高音が耳に響くという症状で、急性低音障害型感音難聴(ALHL)を疑う症状でした。顎関節症の症状もあり、これも治しました。突発性難聴は いちおう再発しないことになっています。耳の疾患は、これという範疇に入りにくいものも多数あります。〇〇という病気を治すのではなく、目の前の患者さんを治していきます。2021年1月
辰巳(仮名)さんは50代の男性です。冬にみえられました。営業の外回りでバイクに乗られています。1週間前バイクで走行中に両耳がつまり回復しなくなりました。両耳がふさがって音がこもります。左耳が耳鳴りするようになりました。
耳鼻科では突発性難聴という診断。左耳の聴力も少し低下していました。
ステロイド剤を一週間飲みましたが、身体がはれたような感じがしてきて、体調が悪化したのでやめたところです。バイクでの外回りも車に変えました。
一度 治療すると「両耳のふさがる感じが少しましになった」とのこと。2回めの治療の後 「よくなったようだ」との電話連絡があり、3週間後に郵送したアンケートの回答をいただきました。2回の鍼灸治療で突発性難聴が治りました。
◆アンケートでは「非常によい効果があった。ほとんど完全になおり苦痛がない。」「治療前の苦痛を10とすれば今の苦痛は【1】である」との評価をいただき以下のコメントをいただきました。
◆コメント
完治率が3割程度と聞いていたので半分あきらめていました。ステロイド剤服用により、副作用が出て飲むのを止め、食事療法(絶食)と鍼灸をしたところ劇的に改善しました。今のところ悪化する気配はありません。ありがとうございました。
※結からのメント
辰巳さんは、ステロイド剤服用で身体がはれたような感じになったので断食をされました。辰巳さんは体調が悪くなるとすぐに断食をされるそうです。食事療法(絶食)が突発性難聴にどれだけ有効なのかはわかりません。
突発性難聴でステロイド剤を飲み始めた時の副作用は、いらいら感、不眠、消化不良、下痢、吐き気、食欲増進などがあるようです。私もいらいらしたり不眠になるという声はよく聞きます。
ではその時はどうするか。医師と相談してもらうことが前提ですが、私は服用を継続できるならその方がいいと考えています。突発性難聴のステロイド治療は比較的短期間ですし、副作用は鍼灸で緩和させます。
2016/0104
◆自筆アンケートは以下から
※治療効果には個人差があります。みなさんが同じように治るわけではありません。
※治療例は個人情報保護の観点から、患者さんの年齢、状況を大勢に影響ない範囲で少し変えている場合があります。ご了承ください。
2回で治った突発性難聴 夏の治療
橘(仮名)さんは40代の男性です。○○年7月に来院されました。
一週間前 テレビをみていたら急に右耳の聞こえが悪くなりました。3日前 耳鼻科を受診したところ突発性難聴と診断された。昨日 ステロイド注射を受けたが効果を感じられなかったとのこと。右の耳鳴もあるが静かになると気になる程度です。肩こりは しっかりあります。
4日間に2回 治療したところ聴力が回復しました。2回目の治療をした翌朝、聴力は回復していました。3回目にさらに聴力の回復を確実にする治療をしてアンケートをいただきました。アンケートでは以下のコメントをいただきました。
◆コメント
まさかここまで聞こえるようになるとは思いませんでした。鍼灸治療はうけたことがなかったので半信半疑でしたが、今は受けて本当によかったと思っています。本当にありがとうございます。コメント以上
有田さん(仮名)は40代後半の男性、一ヶ月前から左耳に水が入ったような感じになったそうです。耳鼻科で一通りの治療を受けましたが、よくなったり悪くなったりを繰り返しています。突発性難聴の診断、鼻がつまりがちで、首肩はいつもこって疲れているとおっしゃいます。「鼻がつまるんですか、それはよかった。鼻が詰まって耳がおかしいという人は鼻づまりを治すと耳の症状はまずまず改善していきます。耳よりも鼻の方が治しやすいんです。」と私が長年の臨床の中で経験していることを言って、治療を開始しました。
一度めの治療で4日間ほど耳の閉塞感がなくなりました。その後 一度調子が悪くなりましたが、すぐに持ち直し20日間に5回の治療でほぼ治りました。最後に週に1回の治療を2週続け再発のないことを確認して治療を終わりました。首肩の疲労感も、鼻づまりも消えています。難聴も治りました。
◆アンケートでは「非常によい効果があった。ほとんど完全になおり苦痛がない。」「治療前の苦痛を10とすれば今の苦痛は【0】である」との評価をいただき以下のコメントをいただきました。
◆コメント
初めて針治療を受けました最初は半信半疑でしたが、ある時から急に聞こえにくかった聴力が復活しました。その後はみるみる回復し今では元の状態に完全に回復しました。良いと言われた耳鼻科で治らなかったものですから諦めていただけにとってもうれしいです。また何かあればお世話になりたいと思っています。ありがとうございました。
津田清美(仮名)さんは40代の女性です。2月下旬に左耳がおかしくなり、1週間耳鳴が続きました。耳鼻科を受診し突発性難聴と診断されステロイド剤の治療を開始。その後、投薬は終わりましたが、耳鳴が再発、高い音が響いて、耳がつまるようになりました。低音が難聴となっていています。後頭部の頭痛が続いていて首もこります。4月から治療を開始し、3回目でアンケートをいただきました。
◆アンケートには「よい効果があった。少し苦痛はあるがずいぶん楽になった。」「治療前の苦痛を10とすれば今は2」と回答いただきました。
◆コメントかかりつけの耳鼻科では完治しないと言われかなり落ち込みましたが、耳鳴やつまり感、頭痛が改善され希望がもてるようになりました。
治療開始から約一ヶ月、5回の鍼灸治療で耳鳴、耳のつまり感、頭痛等すべてなくなりました。耳鼻科で聴力の回復を確認しました。3ヵ月後に再度、津田さんに連絡し耳の諸症状の再発がないことを確認しています。津田さんは中間管理職、仕事のやり方が変わり、ぎくしゃくしているところで発症したと聞いています。今も忙しさは変わらないそうですが、元気です。
※治療例は個人情報保護の観点から、患者さんの年齢、状況を大勢に影響ない範囲で少し変えている場合があります。ご了承ください。
中田(仮名)さんは30代の女性です。風邪をひき、咳が出るようになりました。そ のうち左耳が聞こえづらくなり、聴力検査をすると聴力が低下していました。耳 鼻科で治療してもいっこうによくならず、結(ゆい)にいらっしゃいました。左 耳のつまるような感じが一番気になるそうです。電話はいつも左耳で聞いていた のが、今は右で聞いています。首や肩はいつもこっています。
一度、治療した後、聴力検査を受けるとよくなっていました。ただ左耳のつまり 感は残ります。4回ほど治療すると左耳の症状は消え、電話を左耳で聞くことも 増えてきました。首や肩も軽いそうです。
その後 のどのつまる感覚や気分の落ち込みなどを治し、結局2ケ月で8回治療し て治療を終了しました。 直後に郵送したアンケートが10ヶ月後に帰ってきましたから、10ヶ月の間の再発 はなかったことになります。
突発性難聴になる方は、のどのつまり感やしつこい肩こり、気分の落ち込み、不 安感などをいっしょにお持ちの方が多いようです。もちろんいっしょに治してい きます。
◆中田さんのアンケート回答
片耳が突然聴こえづらくなり、耳鼻科でステロイドの点滴や内服をしてもなかな か改善せずとても不安な日々でしたが、インターネットで貴院を知り、治療を受 けた所 思っていたより短期間で完治することができました。正直 針治療は痛 いですが痛くても必ず効果があるので通うことができました。費用も決して安く ありませんが、聴力というお金では買えない大切なものを取り戻せた事を思うと、 高い安いよりも感謝の気持ちでいっぱいです。きちんと治すことをかなえていた だき本当にありがとうございました。 その後再発もせず聴力に全く問題なくすごせています。 先生、スタッフの皆様もご自愛下さいませ。返信が大変おそくなり申し訳ありま せん。
◆院長 藤井より 針の感覚は人それぞれです。「気持ちいい」と感じる患者さんもいれば、「いた 気持ちいい」と感じる人、「痛い」と感じる人もいます。ほとんど感じない針を する治療家の方もいらっしゃいますが、私は感じる針の方が効くと信じているの で、感じる針をしています。 ちゃんと治す、できるだけ早く治すことが、私にとっての「効く」です。 ※治療例は個人情報保護の観点から、患者さんの年齢、状況を大勢に影響ない範囲で少し変えている場合があります。ご了承ください。
突発性難聴は「針灸治療をすると、たいていは数日から1~2週間で治ります。
今回は1回で治りました。 栗原(仮名)さんは30代の男性。朝起きたら左耳の突然の耳鳴り、あわてて耳鼻科に行くと突発性難聴と診断されました。聴力検査をすると低音部の聴力が低下しています。結(ゆい)には翌々日に来院されました。鍼灸治療するとその場で耳鳴りはなくなりました。 翌日、再度耳鼻科へ。聴力検査で低音部の聴力も回復していることを確認しました。 栗原さんは「左耳の方がよく聞こえるみたいだ。」と喜んでくださり、以下のようにアンケートに回答してくださいました。
アンケート回答
◆非常によい効果があった。ほとんど完全になおり苦痛がない。
◆治療前の苦痛を10とすれば今は0である。 朝に突然耳鳴りがおきそれが続いていたのでこちらに寄せてもらいました。耳鼻科で突発性難聴と診断され、早期でも治療に時間が少しかかると言われましたが、こちらの治療で1回してもらったら、ウソのように耳鳴りも治り、普通に音が聞こえるようになりました。早めに来て良かったです。以上
突発性難聴はストレスからおこることが多いようです。栗原さんも職場のトラブルがちょっと長引き、やっと解決した後に発症されました。
今回はがんばり屋さんのお話です。突発性難聴は春に発症することが多いと感じています。
突発性難聴とは「生来健康で耳の病気を経験したことのない人が、明らかな原因もなく、あるとき突然に片方の耳が聞こえなくなる病気」と定義されています。
急に片方の耳の耳鳴りが始まった、耳も聞こえづらくなったといった具合に始まります。西洋医学的には原因は不明で、ウィルスが感染したものか、あるいは耳の中の血管がつまったり、出血しているのではないかといわれています。
30代の女性、篠田さん(仮名)は職場を休むことになりました。耳ではなく頭痛と吐き気から突然始まり、仕事に行けなくなったからです。
後でいただいたアンケートによると「当初は頭痛と吐き気の症状が強かったため、内科で緊張型頭痛と診断されました。痛み止めのロキソニンも効かず、そうこうしているうちに聴こえの悪さ、耳鳴り音割れが始まりました。どこまで悪くなっていくのか不安になる中、先生に「治りますよ」といわれた時は本当に救われた気がしました。」という状態でした。
低音も聞こえにくくなっています。
治療途中で職場復帰しながら1ヶ月ほど治療したところ耳はすっかりよくなりました。職場復帰当初は腰がだるくて、1日の立ち仕事がつらかったのですがそれもなくなりました。
突発性難聴は原因不明といわれていますが、中国伝統医学は主な原因を、耳の周囲の気の滞りと考えています。気の滞りのおこる理由は各人それぞれですから、耳の周囲の気の滞りをとるつぼに加え、患者さん個々に合わせてつぼを選びます。
篠田さんの場合は無理に無理を重ねた結果でした。職場での責任が重くなり子育ても忙しい。がんばり屋さんが気力で乗り切ろうとしたけれど身体が悲鳴を上げたのです。顔はほてりやすく足は冷たい。身体の上と下の気がうまく巡っていません。上逆(じょうぎゃく)といいます。上逆から吐き気もおこります。こういう人は疲労を感じにくいタイプ、無理ができるけれど突然倒れたりもしやすいのです。篠田さんには「あなたは人よりも疲労を感じるセンサーが弱いのだから、80パーセントぐらいのがんばりで実は100パーセントやっているのですよ」と助言させていただきました。
篠田さんのアンケート回答 今回、突発性難聴でお世話になりましたが、当初は、頭痛を吐き気の症状が強かったため、内科で緊張型頭痛と診断されていました。 痛み止めのロキソニンも効ず、そうこうしているうちに聞こえの悪さ、耳鳴り音割れが始まりました。どこまで悪くなっていくのか不安になる中、先生に 「治りますよ」と言われた時は本当に救われた気がします。 治療を受けたおかげで症状が落ち着きましたが、適切な体の休め方の指導や、先生のお人柄かゆったりした気持ちになることで治っていったように思います。お世話になりました。ありがとうございます。
篠原(仮名)さんは3月に来院されました。50代後半の女性、1ヶ月前に左耳が突発性難聴になりステロイドの集中投与を受けたものの、治りませんでした。来院された時は耳鳴り、音の割れる感覚、耳の閉塞感、聴力の低下に苦しんでいらっしゃいました。首や肩がこり腰も痛い。アトピー性皮膚炎のため顔が真っ赤になり、いかにもかゆそうでした。
約1ヶ月8回の治療で患者さんいわく「治療前を10とすれば今は3」「耳鳴り音割れは多少残っていますが生活上大きな不都合はありません」というところまで改善。肩こり腰痛もなくなりました。「冬でも上気して汗をかいていた体質が改善され生活しやすくなりました」という感想もいただきました。治療頻度を減らしながらさらに1ヵ月半治療、持病の喘息も軽くなりました。
ただアトピー性皮膚炎のかゆみはいったんおさまったものの暑さの到来とともに一進一退を繰り返す状態となり、抗アレルギー剤でおさえる選択をなさいました。当院が通院にちょっと遠かったことも影響しているようです。
突発性難聴は個人差もありますが、いままでの臨床経験からいって約1ヶ月あればかなりの改善が見込めます。篠原さんの手書きのアンケートは以下。
20xx年6月、久しぶりに佐藤さん(仮名)が来院されました。40代の女性です。左耳の聴力が突然、低下した、聞こえにくいとおっしゃいます。昨日、耳鼻科で突発性難聴の診断を受けたとのこと。実は佐藤さんは右耳の聴力が以前から弱く、左耳まで聞こえにくくなったら大変だということで来院されたのです。
1度の治療で自覚症状は消えました。耳鳴りも耳の不快感もなくなり、聞こえるようになったのですが、耳鼻科で検査するとまだ聴力の低下があったため、治療を続けることにしました。3週間、5回の治療をしたところで聴力は回復。以下のような報告のメールをいただきました。
今日、耳鼻科の方へ行ってまいりました。私は、もともとは右耳が悪く今回は左耳の治療でしたが、右耳の聴力も良くなってきているという意外なものでした。
左耳は、ほぼ回復しているそうなので、次回一週間後は薬だけをいただきにいきます。
まずは報告まで。以上
やっぱり突発性難聴の治療は早ければ早いほどいいと実感した次第です。右耳のつぼに鍼はしなかったのですが、脳の血流を改善するために頭のつぼに鍼をし、右耳にも温灸をかけたのが、右耳の聴力向上に結びついたようでした。突発性難聴を長引かせるとやっかいです。できるだけ早めに鍼灸治療を始められることをお勧めします。
出産後にいろいろと
20xx年の夏に30代の女性の方がいらっしゃいました。
2歳の赤ちゃんをお持ちで、まさに子育て真っ最中。出産後に右側のあごに違和感を感じるようになり、かくんかくんいうようになった。右肩もこる。今年の梅雨ごろから腰が痛くなってきた。一週間前から右の耳が聞こえにくくなり、耳鳴りもするようになった。耳鼻科で突発性難聴と診断され、聴力も落ちてきているとのことでした。4週間ほどの間に8回ほど治療し、耳の異常はなくなりました。ついでにあごに違和感、腰痛肩こりも 解消しました。
中医学は耳だけ腰だけというふうに考えません。気のめぐりが、だんだんと悪くなり、右側のあご、肩、腰ときてついには耳にきたというふうに考えます。患者さんの気をしっかりと補充しながら、経絡(けいらく)という気の流れを調整し、 うまくめぐらせるようにします。
出産は女性にとって大仕事です。出産で気を消耗してしまい、その後の子育ての疲れもあり、うまく回復できずに顎関節症、肩こり、腰痛、突発性難聴と発症していかれたのでしょう。この患者さんはその後も疲労回復に時々来院されました。
現実には子育てや仕事に追われてなかなかむずかしいのですが、出産後1年程度はゆっくりと過ごし身体を回復させるようにしたいものです。お連れ合いの理解と協力が一番大切です。今回の患者さんもお連れ合いが赤ちゃんをみて、通院に協力されていました。
突発性難聴とは難病医学研究財団によると「生来健康で耳の病気を経験したことのない人が、明らかな原因もなく、あるとき突然に片方の耳が聞こえなくなる病気」と定義されています。急に片方の耳の耳鳴りが始まった、耳も聞こえづらいといった具合です。めまいや吐き気を訴える方もいらっしゃいます。
針灸治療をすると、たいていは数日から1~2週間で治ります。
西洋医学的には原因は不明で、ウィルスが感染したものか、あるいは耳の中の血管がつまったり、出血しているのではないかといわれています。西洋医学ではステロイド剤や血管をひろげる薬、血が固まりにくくする薬などを使って治療するようです。針灸は自然治癒力に働きかけ、血行をよくしたり出血をとめたり、炎症を鎮めたりすることができます。免疫力をあげてウイルスに抗することもできますから、当然、突発性難聴にも効くわけです。私は針灸の方が、治療効果が優れていると感じています。
中国伝統医学は突発性難聴の主な原因を、耳の周囲の気の滞りと考えています。気の滞りのおこる理由は各人それぞれですから、耳の周囲の気の滞りをとるつぼに加え、患者さん個々に合わせてつぼを選びます。
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